だーいすき!

こいつはオッケー!「ゾンビのCDレビュー!」2

You should find them!!

前のページは、かなり怒りまくってたので、

今度は、大好きなアルバムについて、楽しくダベります。

……あんまり知ってる人いないだろうけど。





BLOOD FIRE DEATH / BATHORY
HAMMERHEART / BATHORY


 スラッシュ・メタル/ブラック・メタル/デス・メタルって、どうやって分類するか、さすがのゾンビにもよくわかんないんですけど、このテの中で、お好み3羽ガラスといえば、VENOM、CELTIC FROST、そして、このBATHORY!! 
 だれがなんと言おうと、「まず、はじめにVENOMありき。」。それはあの、METALLICA(<これは、キ・ラ・イ!!)のメンバーだって、認めています。そして、VENOMの名曲数あれど、名曲中の名曲 Countless Bathory ! 老いるのを恐れるあまり、若い乙女をさらってきては血をしぼって、その風呂につかっていたという残虐な伯爵夫人エリザベート・バートリの話。そこから、バンド・ネームをいただいた、BATHORY。
 当初は、単なるVENOMのエピゴーネンに過ぎなかったが、3作目の「UNDER THE BLACK SIGN」から、作風が変化し、4作目の「BLOOD FIRE DEATH」、続く「HAMMERHEART」では、かつて何者も到達できなかった境地に行き着いてしまいました。


 「BLOOD FIRE DEATH」!
 スペクタクル・ブラック・メタルともいうべき、大作映画サウンド・トラックのようなイマジネイティブな音像世界。いや、映像の助けなしにリスナーの心象に映像を導き出すという点で、映画音楽をはるかに凌いでいる!

 強烈なビート、怒号の歌、甘美な女性コーラス、それに怪しいアルペジオの響きが、いざなってくれるだろう。
 戦火に煙る荒涼した風景、戦馬のいななき、堆積してゆく戦死者たち、吹き上がる炎、怨恨、悲哀、そして、栄光へと向かう執念……。
 次々と紡がれるイメージの奔流に身をまかせよう。現実が次第に遠のいてゆき、あなたは人類の悲惨な戦いの歴史の目撃者になる。ある時は、戦火のただ中、硝煙にむせ、また、ある時は止むことなき悲哀に鳴咽しながら。
 音の力だけで、トリップができる。完全に現世界から遊離して。
 ―― 破滅をみつめることは、けっして、のどかなまどろみとはいえないが、強烈なカタルシスをもたらしてくれることは間違いない。
 ―― そう、どんなに抵抗しようとも、歴史のページからページへ流されてゆく、あなたのためのカタルシス。
 ―― 音の混沌を、シャワーのごとく浴びることにより。


「HAMMERHEART」
 戦いを糧とする、誇り高きヴァイキングたちのサーガ。「わが胸の槌音」。

 波。永劫に寄せては帰す海の水は、死を洗い命を運ぶ。いくさへむけて、わたしの胸は昂る。「炎と氷に祝福されて、わたしはこの地にあらわれいでた。」この聖なる地へ生まれ落ちたことの喜び。父は槌を鍛えるその腕で、わたしを抱き、美しいこの天空と大地と海を、見せてくれた。
「一族の誇りを汚さぬようこころがけよ。たどるべき道を見失い、おもい悩む時には雷にたずねるがよい。真理と勇気について。なぜなら、雷鳴は父祖の御霊の降るきざしなのだから。」
「いさましくあれ! なにごとにも屈するなかれ! 卑怯者になりさがるなかれ! オーディーンの恵みと、祖先の霊は、いつもおまえとともにある。風に向かい、剣をかざすのだ。たとえ、死神がその身をおおいつくそうとも。天駆ける黄金の戦車とヴァルキューレがおまえのもとにつかわされ、ヴァルハラの門がおまえのために開かれるだろう。」
(ゾンビの友人・嘆きのヴァルキューレの訳詞集より抜粋)
 勇壮な楽曲集。クオーソンのラフにしてエモーショナルなギター、それに、力強くも朴訥な歌声がとてつもない高揚感を与えてくれる。


 でさあ、また怒っちゃうんだけど、こんなに素晴らしいバンドとアルバムに対して、コキおろおすしか脳のないアンポンタン軍団がちゃんといるんだよなあ。まったく、感受性が欠如してるとしか思えない。「B」の編集者って。「こんなもん聴きたがるやつがいるだろーか。」だって。テメエのレベルにまで、おとしめて欲しくないね! まったく。




GIVE 'EM HELL / WITCH FYNDE
STAGEFRIGHT / WITCH FYNDE


 はてさてさてはて、百花撩乱の様相を呈した夢の時代、New Wave Of British Heavy Metalにおいて、ゾンビが最も愛したバンドは、っていうと、DEF REPPAEDでも、IRON MAIDENでも、GIRLでも、PRAYING MANTISでもなく、このWITCH FYNDEでした。
 他にも、いいバンドは、すっごくたくさんあった。TYGERS OF PAN TANG、MORE、ANGEL WITCH、WITCH FINDER GENERAL、DIAMOND HEAD、WHITE SPIRIT、SAMSON、GIRL SCHOOL、HOLOCAUST、SHIVA、そう、SAXON、MOTORHEADもね! 大好きだった! そいから、BUDGIE、QUARZTなんか、老舗バンドの復活もあった。
 そんなかにあって、SABBATHフリーク、黒魔術こりこり青年だったゾンビは、それらしいバンドを探しまくったってわけだ! 
 ANGEL WITCH? すごおおく! 良かった! でも、あんまり、新鮮じゃなかった。詞はドラマだったけど。
 WITCH FINDER GENERAL? これも、よかったけど、あんまり、マネしすぎ! 
 QUARTZ? ううん、とってもハマったんだけど、やっぱり、SABBATHフォロアーの域をでていなかった。
 そおして、WITCH FYNDE!! 「GIVE 'EM HELL」
 これには、クラっときた! 基本的には、SABBATH 信者なんだろうけど、方法論が、というか、音作りがまったく違う! 
 なんだ、このやたらブライトなギターの音色はっ?! 山本恭二に似てるって言った友人がいたくらいだ。リフをカッテングしても、そのへんのバンドとはまるっきり異質な空気を生み出す。アルペジオ・ワークに至っては、もう、他に較べるものがないくらい響きの美しいこと! 甘く、ほどよく陰鬱、リリカルで、そいでもって、神秘的! Leaving Nadir 、そいから、Into The Age OF Agesのイントロなんて、もう、脳味噌がとろけて耳から流れだしそうなくらい気持ちいいい! 
 こんなバンド、今まで、なかった! こんな音、知らなかった!  
 ボーカルも、一発で「おっわ!」だった。
 飛び抜けてハイ・トーンではないにしろ、感情表現豊か。単語ののせかた、ビブラート、ツブシ声がユニークだった。揶揄、冷笑、弁明、独白を強烈に含み、哀愁とか歌いあげるという、ありきたりの歌唱法ではなかった。残念なことに、2枚参加後、抜けちゃったんだけど。
 サウンドの構造としては、ぼかぼかいう後のり気味のドラムに、くっきりしたシンプルなベース。キラキラしたギター。……という包括的かつ隙間のあるバックに、感情表現の豊かな(というか、少々サイコっぽい)歌、というスタイルだった。
 SABBATHのマネっこだけでなく、独自の方法論(ってよりは、メンバーのアクが強すぎてマネできなかったという気もするが)をとってるのが、とてもステキだ。現在のDOOM MEATL の多くは、まったくのマネっこに聞こえて、あんまり好きなバンドってないのであるよ。


「STAGEFRIGHT」!!!
 これはもう、このバンドのセカンド・アルバムにして最高傑作は言うに及ばず、New Wave Of British Heavy Metal時代に発表されたすべてのアルバムの中でも、もっとも、エモーショナルにこころを打つ感動のスーパー・ウルトラ・エクセレント超傑作と表現せずにはハラの虫がおさまらない。

 実はこの年、ソンビは成人を迎えました。そいでも、へそまがりなゾンビ&フレンズは成人式なんぞ行かずに、図書館の一室を借りきってレコード・コンサートを開催。その年のベスト10位を交代でかけるというイベントを自主的に行っていたのですわ。そこで、私が第一位に推したのが、この「STAGEFRIGHT」の2曲目、Doing The Right Thing。内容はラブ・ソングなんだけど、このヘビィで、ダーク&メローなイントロのリフいいっぱつで、もう、めろめろにされてしまった。一緒に来ていたリッチー狂の悪友が、帰りに輸入レコード屋につきあってくれ、と、言い出したくらいだ。魔力! そう、魔力だった。
 わりと、自由気ままにやってた(<それもいいよっ!)「GIVE 'EM HELL」に較べて、楽曲として、ツメというか、完成度が高くなっている。どれも、シングルカットできそうなくらい、かっちりしてるってわけ。で、わたしのような、アンチ・ポップ嗜好も満足させるんだから、まあ、よくよく上手くできている。
 モンタローさん(<ほんとにこう読むのかあ?)のブライト・ダークなギターは、より深淵に、ミステリカルに、ハート・アタッキングに練りあげられてあり、やたらヘヴィな曲(例 Stage Fright)から、神秘的と言うべきか、ポップ・チューンと言うべきか、どうにもわからん曲(例 Moon Magic、In The Stars 、いいぞ!これも!)、「ライブなのに、ベーシストがいいなくなっちゃった!」てなフザケた曲(Big Deal)、バラッド・ナンバ−(例 Madeleine ! 絶品!)に至るまで、WITCH FYNDE ならではの色に染めあげている。
 もちろん、歌うスティーブ・ブリッジスくんの、ちょっとトンでるところも大健在!
 このレビューを書くにあたって、久々聴いたんだけど、やっぱ、いいっす! スゴイっす! 快楽っす!




WARNER BRO'S PRESENTS / MONTROSE
JUMP ON IT / MONTROSE


 一番好きなギタリストは? と、問われれば、まず、トニー・アイオミ大先生!
 そいじゃあ、次は? と、聞かれたら、このMONTROSEのリーダー、ロニー・モントローズ! あるいは、DIRTY TRICKSのジョニー・フレイザー・ビニーと答えます。そいから、ウリ・ルート、ヤニック・ガーズ。クオーソン。ロボ。モンタロー。メル・ギャレイ、マニエル・チャールトン。
 バニー・トーメは、ギラン・バンドとしては大好きなのだが、ソロでは興味を失った。テッド・ニュージェントは「ギタリスト」というよりは、「アーティスト」というニュアンスの方が強い。あとは、おなじみ、リッチー、ジミー・ペイジに、シェンカーだっよーん。
 イングウェィ、サイクシー、ゲイリー・ムーアは苦手です。



 でもさあ、MONTROSEって、有名じゃない? 「灼熱の大彗星」という、必殺チューンがあるし。でなきゃ、やっぱり、知られてるのは、あのVAN HALENのサミー・ヘイガーが在籍したバンド、てな、いささか情けない知名である。でなきゃ、NIGHT RANGERのだれだれが、在籍した……。もう、いいよ!
 どっちにしろ、日本で一番受け入れられたのが、「灼熱の大彗星」とMAIDENもカバーしたI Got Fireを含む、セカンド・アルバム「PAPER MONEY」。そいから、怒涛のフルパワー爆発の超名盤、ファースト「MONTROSE」。
 ファーストはまだいいとして、「PAPER MONEY」もけっして悪くはないけど、ここに紹介するサード、4枚目に較べると、いささか勝ちを譲る。と、個人的に思う。サム・ヘイガー(<こんころは、こうゆう名前)も、大人しくなっちゃうし。



 WARNER BRO'S PRESENTS / MONTROSE」
 1975年発表、サード・アルバム。これは、もう、完璧に別路線に行ってます。
 力まかせのハード・ロックじゃなくて、クールななかにも、わびさび配合、アメリカンのくせに黄金の70年代ブリティッシュ・ハード・ロックの香りを漂わせた名盤中の名盤! ワーナー・パイオニアのロゴをパロったジャケットは、限りなくダサイけど。
 いわゆる「日本人の涙腺をくすぐる泣きのギタリスト」の筆頭に常にあげられるのは、おなじみマイケル・シェンカー。しかーし、ロニー・モントローズだって、負けちゃいない! ファースト・ソロの「OPEN FIRE」んなかに、タイトルは忘れちゃったけど、まるで、内山田ひろしとクール・ファイブそっくりなムード歌謡インストがあって、耳を疑ったことがある。フレーズは演歌そのもの! こいつ、まさか、日本人?
 コンポーザーとしても、類をみないんすよ! アメリカン? うそでしょう? 「わびさび泣き入りにして、緻密に洗練された涼やかな情熱(<すげー表現)」。独自のメロディ・センスが、持ち味である。
 ゾンビはある年令になるまで、アメリカン・ロックに対して、頑固な差別意識をもっていた。(テッド・ニュージェントさんは、もう、あれがアメリカーーン! って意味で愛好してたわけだが。)この時代の「ハード・ロック」リスナーには、多かれ少なかれ、そういう意識のある人間がけっこういた。
 ただ、高校ゾンビ、MONTROSEだけは、例外的に心底、愛していた。だってえ、ホントに、今にも溶けて流れそうなウエットな叙情を、南極のようにクールにプレイするんだもん。このお! ゾンビ殺し!! ハード・ドライビングな曲のギター・ソロでも、この傾向は変わらない。ステキすぎるぜ! モンちゃん!(<サルではない)
 ここから加入のボブ・ジェームスという歌い手さんが、また、素晴らしく個性的。線の細い、それでいてブルージーな声質で、一度聴いたら忘れられない。あえてたとえるなら、あのロニー・ジェイムス・ディオのおっさんから、ねっとりした押しつけがましさをさしひいたような感じか。特に最初のMatriarchという70年代王道シャッフル・ナンバーでは、トニー・マーティンよりずっと似ている。しかし、べっとりまったりのビブラートはあんまやらないし、後期ロニーのようにガナリもしない。タンパクといえば、タンパクだが、独特のアクがあって心地よい。
 モンちゃんの採用するシンガーって、サム・ヘイガー、このボブ・ジェームス、GAMMAのデイヴィ・パティスン(後にロビン・トロワーと活躍)、そいから、1987年の再結成MONTROSEのジョニー・エドワーズまで、トーンは違えど、ある種、共通したタイプである。べっとりとビブラートするのはなく、ハスキー・ブルージー・ボイス。それぞれ歌いまわしのフレーズにクセがあり、なかなかマネがしにくい。
 中でも、このボブ・ジェームスさんは、最高です。ひっくりかえって消えそうなくらい細いハイ・トーン、しかし、力強く、エモーショナル。細っこい(<こればっかりだけど、この通りなんだからしょうがない。)コブシを勝手にきかせたりして、きままに歌ってますってカンジ。
 このアルバム、プロデュースはモントローズ自身。派手さはないけど、かっちり、きっちり。いろんなタイプの曲が並んでいます。クールな叙情性がひかってる! ―― という点においては、モンさんのキャリア中でも、「No.1」なのではないでしょうか。
 特に海鳴りノイズとアルペジオ・ギター&シンセに、なんとビオラが絡むというWhaler「捕鯨船」は、絶品です。ボブ・ジェームスさんの歌もいいです!! ほんとうに! 
 おっ! Kill The Kingかあ?! てな、スピード・ナンバー Black Trainも、クールだし、ミデイアム・テンポのヘヴィ・ナンバー Dncin' Feet、スライドのきいたClown Womanも、「醒めていながらにして情熱的」という表現がぴったり。最初から、最後まで、まったく捨て曲ない傑作だす。


 JUMP ON IT / MONTROSE」。4枚目。ラスト・アルバム。
 「おやっ? ヒュプノシスかい?」というジャケのアルバム、プロデュースはエアロで有名なジャック・ダグラスです。この人の作る音って、なんか分離が悪く、音像がはっきりしない。輪郭がべちゃっとしているんで、ラフなハード・ロック向き。さあ、MONTROSE のこのアルバムでは、いかがかな?
 結論から言うと(って、プロデューサーのせいでもないだろうが<そうかなあ?)、ハード・ナンバーとそうでない曲の落差が、めっちゃ激しい。8曲中、3曲がハード。1曲インスト。あと4曲がバラード(Music Man がまた、最高に泣かせる!!)を含む、比較的おだやかな曲ばかり。流して聴いた印象としては、やっぱ落ち着いたアルバムだなー。しかして、楽曲の質の高さは抜群だぜよ!! 
 1曲目、インデイアン・ビートにのって、スライド・ギターのうなるLet's Go、いきなり歌から始まるWhat Are You Waittin' For?、それに、シングル・カットされた(もってるよ!)タイトル・ナンバーJump On It。この3曲がハード・ナンバーで、「さーすがー!」という出来の良さです。
 おとなしめの曲にしても、「クールな熱情」ロニモン節満載で、よくできているし、満足すべき1枚です。コンポージングに関しては、WARNER BRO'S PRESENTS / MONTROSE」と並んで、ロニモン絶頂期だったのではないでしょうか。


 このあと、モントローズさんは、ソロ1枚、GAMMAで3枚のアルバム(<これもいい! 最近ライブ音源が発表されて、もおおお! かっちょいいこと、この上なし。ギターのインター・プレイがたっぷりはいってて、なんか、RAINBOWみたい。さすが、ギター・ヒーロー!)、そいから、またソロ数枚、うんで、MONTROSE再結成1枚発表、で、またまたソロ、と、現役でがんばっておられるようです。
 それにしても、フージョン風のインスト・ソロ・アルバム乱発より、ハード・ロック・バンドに復帰して欲しいよお! こないだ、サミー・ヘイガーのアルバムで、1曲だけMONTROSE再編やってましたけど。




BORN TO BE WILD / STEPPEN WOLF
SLOW FLUX / STEPPEN WOLF


 ここで、ひとつ、ショーゲキ的にハズカしい告白をしちゃいましょう。
「ゾンビのROCK処女を破ったのは、STEPPEN WOLFだった!」
 まあ、たいていの人は、ビートルズかストーンズですよねえ。初体験でなくても、なんとなく通過して崇拝しているヒトって、ざっと百億人はくだらないでしょう。私がお話したロック好き人種の大半がそうでしたから。もっとも、今では、いきなり、METALLICAとか、MR.BIGという方も多いでしょうが。
 ゾンビは、ビートルズもストーンズも、通過しておりやせん。「その他、一般教養」程度しか聴きこんでいません。
 STEPPEN WOLFから、いきなり、LED ZEPPELIN、DEEP PURPLE、URIAH HEEP、BLACK SABBATHへ行っちゃいました。
 なんといっても、とっかかりがSTEPPEN WOLF。あの、Born To Be Wild の! 
 もう、25年以上も前のハナシであります。ゾンビもトシをとったもんだ。しかし、いまだに「DEAAAATTHHHH !!」なんていうのが、やめらんないんだから、コドモだねっ!
 で、その頃、ゾンビは映画少年でした。自分で、小説とか書いてたこともあって、名画座を「ぴあ」片手に、300円2本だて、まあ、ちょっと高いけど、500円2本だて、なんていうのも、手当たり次第に観てあるいてきました。学校さぼってね!今みたいに、SF、ホラーだけじゃなくね! アラン・ドロンが大好きで、ほとんどマニアの域だったようだす。


「BORN TO BE WILD / STEPPEN WOLF」(1970)
 と、いえば、もう、おわかりでしょう! 当時、大評判だった映画、「イージー・ライダー」!
 自由を求めてアメリカの広大な土地を、チョッパー・バイクで旅するピーター・フォンダとデニス・ホッパー。ジャック・ニコルソンや、娼婦の役で、カレン・ブラックもでてるぞおお! で、結局、鉄砲で撃ち殺されちゃうんだ。ボッカーーン! 

 「え? これのどこが、いったい『いい映画』なの?。」
 という意味で、当時はショックでした。最近、見直しましたが、感想は、ほぼ変わりませんでした。
 こういう、ムチャのくせに、やたら評価の高いという、わけわかんない映画に『タクシー・ドライバー』なんて、銃器フェチの勘違い野郎映画があります。うううううん、ワタシの視点はズレているのだろうか?

 で、「BORN TO BE WILD / STEPPEN WOLF」でありやんす!
 映画「イージー・ライダー」では、ジミヘンや、バーズや、スミスや、その他、いろんなバンドがサウンド・トラックに登場しました。実は、サウンド・トラック・アルバムも買っちゃったんですよ。で、そのなか、で、一番カッコよかったのが、なんといっても、STEPPEN WOLF!! 荒涼とした砂漠! 荒くれ男たちのウエスタン!! みたいな! 
 Born To Be Wildも、もちろんよかったけど、やっぱり、The Pusher!! 
 「じゃーん・じゃかーじゃ・じゃ、じゃーん・じゃかーじゃ・じゃ」という乾いたカッティングに、ぴゅーーゅーゅーんと「荒野を駈けめぐる風」みたいなリードがからんで来る瞬間!「うっわあああ! かあああっこおおおいいい!」 今でも、トリはだものです。

 そこで、さっそく、もっと聴きたいと思い、この2曲の収録されている「BORN TO BE WILD / STEPPEN WOLF」を買いに、レコード屋さんに走りました。
 生まれて初めて買った、ロックのレコードです。
 それ以前にも映画「スカイ・ハイ」の影響で、JIGSAWなるポップ・バンド気にいっていましたが、これほどの影響力はありませんでした。あとはもう、坂道を転がるように、この道にハマりこんでしまいいました。もちろん、親は嘆きました。
 「うちの王子さまみたいだったゾンちゃんが、こともあろおにロックなんか聴きだしたあ!」
 「ロック = エレキ = 不良」という公式がまかり通っていた時代のことでしたから。
 それまで、フォーク、歌謡曲を愛好していた、いたいけな少年はそこで処女を散らされました。
 ばかりか、「ハード・ロック」に身をまかす悦楽を骨のズイにまで教えこまれ、以降、これなしでは1日たりとも生きられなくなってしまったのです!
 当時、バカなオトナに「ハード・ロック? そのうち、飽きちゃうよ。」とか、「まあ、ハシカみたいなもんだね。」とか、熱狂ぶりを嘲笑されましたが、今ではそのバカ・オトナの年令も、軽く越えてしまいました。やっぱり、あなたたちは、「飽きっぽいバカなオトナ」でしかなかったんですね。

 さて、アルバムの方ですが、これはもう、痛快まるカジリ、「渋くてかっちょいいのを聴きたけりゃ、とにかく、コレを聴け!!」と、自信をもってオススメできます。
 若い人にもわかるようにあえて、たとえて言うなら、「WHITE SNAKEのご先祖様みたいなオト」といえば、ううん、言えないこともない。しかし、生命を危機にさらして「自由とブルースを求めて!!」、東ドイツから亡命してきたリーダー、ジョン・ケイ様の気迫はもう、ただものではありません。
 時代背景や音楽状況のせいか、他の楽器パーツ演奏メンバーも「いっちゃってる」というか、けっこう「フリーキー」なカンジで、すっごく気持ちいいんすよお。ドラッグやりながら、プレイしてるんじゃないかなあ、ってトリップ感があります。随所にハモンド・オルガンもひかっていて、おおっと、ここでもひきこまれます。70年代初期ポップスとして聴いてもグーな名盤で、実際、当時、ヒット・チャートに頻繁に顔を出していたらしい。いい時代だったんだなあ。
 やっぱり、破った相手がステキだと、もう、一生やみつきになるものですね。
 あ、そうか、さっきの「バカなオトナ」って、どうしようもない、ロクデナシにやられちゃったんだ。ああ、同情。


「SLOW FLUX / STEPPEN WOLF」(1974)。こちらは、再結成後の作品です。
 ライナーによれば、数枚のアルバム(<だいたい持ってるけど。「MONTSTER」と「7」が特にイケます。)を発表した後、マンネリになって、解散。ところが、その解散ツアーが異常な盛上がりを見せ、また、その勢いで再結成。んで、アルバム発表。
 これもまた、全部かっこいいんですが、音像が若干モダンになっています。とはいえ、ジョン・ケイ節は健在です。アナログでの1曲目Gang War Bluesのイントロなんて、脳天が「かき氷を大量にほおばった時」みたいに、きいいいいんん! ってするくらいカッコいい!!!
 この後また、解散とか、再結成もあったみたいですけど、今でも、STEPPEN WOLFは元気に活躍しています。
 1996年に、発表された2枚組25周年記念ライブ「JOHN KAY & STEPPEN WOLF LIVE AT 25」も、やっぱり、すばらしすぎるくらい、スバラしく!!「しかしこのヒト、かわんねーーなーーー!」。渋くて、熱くて、胸踊るパフォーマンスに酔っぱらわせてくれます。「おアソビなんかじゃない、カラダをはったロックの情熱」って、こういうことを言うんでしょう。




IT'S ALL ABOUT/ SPOOKY TOOTH
MIKE HARRISON / MIKE HARRISON


「IT'S ALL ABOUT/ SPOOKY TOOTH」
 どうだっ! みるからに、古そうだろー! 1968年! サイケなジャケット!

 実はSPOOKY TOOTHというのは、後追いなんですよお。(あたりまえか。)
 JUDAS PRIESTのBetter By You,Better Than Meの元ネタをやっているということで、有名でしたね。あと、初期のSCORPIONSも、SPOOKY TOOTHのコピー・バンドだった、とか。ゾンビもそこから、入ったのです。ちょうど、1500円の廉価盤でセカンド・アルバム「SPOOKY TWO」が、発売されてまして。
 帯びタタキがすごいぞ! 「ヘヴィ・メタルのきわめつけ!!」
 いっやあ、「ヘヴィ・メタル」という用語がまだ、市民権を得ていない70年代後期にしたって、これ考えた人、なにが「ヘヴィ・メタル」かわかっていなかったんじゃないかなあ。ほとんど、サギだぜえ。
 音像はかなり重いけど、重いったって、FREEみたいな重さだぞ。べつにギンギンしてるわけじゃないし、TRAFFICみたいなカントリー・ロックの味わいもある。そういえば、みんな、アイランド・レーベルだ。
 …… 後に「SPOOKY TWO」は、中古盤の王者になりました。
 ゾンビはけっこう好きくなって、あっちこっち探しまくったんですが。

 結局、7枚アルバムが出てました。
1、「IT'S ALL ABOUT」
2、「SPOOKY TWO」
3、「CEREMONY」
4、「THE LAST PUFF」でいったん解散。
5、再結成「YOU BROKE MY HEART」
6、「WITNESS」
7、「MIRROR」
8、それから 、1999年に2度めの再結成で「CROSS PURPOSE」。

 みな、それぞれ、味わい深く、ブリテッシュ・ロックの奥深さを思い知ることのできる好アルバムばかりです。
 典型的なスタイルとしては、ゲイリー・ライト(後に「夢織り人」で、全米No.1)のサイケデリックなキーボードに、シンプルで力強いドラム。グレッグ・リドレイ(後のHUMBLE PIE)の太くて輪郭のはっきりしたベース・ギター。ルサー・グロズヴェナー(後にMOT THE HOOPLEに加入のアリエル・ベンダー)のうねりまくるギター。そいから、渋い! 渋すぎる! ゴスペル・ブルース・タッチのマイク・ハリスンの歌!! これが、初期のサウンド・フォーマットでした。
 メンバー・チェンジの激しい、また、実験的傾向の強いグループなので、各アルバムごとに作風はかなり異なります。

 ポイントとしては、まず、突然変異「CEREMONY」。現代音楽家ピエール・アンリとのコラポレイト、脈絡のないノイズがぎっこぎっこいってる、「ハナタラシ」みたい(<ほんとかよ?)なサウンドです。宗教がかった曲自体、悪くないのですが。うるせくて、聴くのがつらかったりします。慣れるまで。
 そいから、メイン・コンポーザーのゲイリー・ライト抜きの「THE LAST PUFF」。この人は歌さえ歌わなければ、とてもいいミュージシャンなのですから、不在ってことは、マイク・ハリスンのステキな歌を最初から最後まで、堪能できます。(ゲイリー・ライトって、やたらリード歌をとりたがるのであるが、マイク・ハリスンや、2代目歌手のマイク・パトウに較べると、ずううっと落ちる。はっきり言って、キーボードに専念して欲しい。)
 シンガーが、最初の6枚が、マイク・ハリスン。「MIRROR」のみ、マイク・パトウ(後にあのハダカおっぴろげ・ジャケットで有名なBOXER)。両者とも、ゴスペル、ブルース、ソウル、のフィーリング溢れた素晴らしい声の持主です。
 ギターは、最初の4枚がルサー・グロズヴェナーのごにょごにょギター。次の3枚があの、ミック・ジョーンズ(後のFOREIGNER)のちょっと湿ったさわやかなギターです。どっちも、いいお味です。

 ああああ! みんな、すてき!! 
 どれがいい、なんて、選べないのですが、ここは「サイケ!」という点から、ファーストを選びました。いい曲がいっぱい! ハープシコードとミステリアスな響きのあるSunshine Help Me がシングル・カットされましたが、当時のライナーに、「アンチ・コマーシャル」なんて、書かれてましたっけ。他、ほんわかサイケ・ポップのIt's All About A Roundabout なんかも名曲。そいから、時代らしくSociety' Child(ジャニス・イアンの曲)、Tabacco Road(エドガー・ウィンターもやってるよ。)とかいったブルース・ナンバーも、ハードなインストロメンタル・パートを含むアレンジで演奏しています。

 こういったバンドって、どの1枚を最初に手にとるかで、バンドに対する印象がまったく違ったものになってしまいますね。いいのか、悪いのか? でも、どれも、いいアルバムですから、どれでもいいのかなあ?


「MIKE HARRISON / MIKE HARRISON」。
 これは、そのSPOOKY TOOTHのメンバーの中でも、ゾンビの一番好きな、初代リード・シンガー、マイク・ハリスンのファースト・ソロ・アルバムです。
 ゾンビが好きなシンガーというと、ハイトーンや、ブチキレ・ボイスや、スクリーミングを想像される方がほとんどじゃないかと思いますが、このマイク・ハリスンさんは、ミデイアム・トーンが主体。独特のぎゅぬぎゅぬした声質が、ほんとに魅力的なシンガーです。
 いままで、いろんなロック・アルバムを死ぬほど聴いて、死んでゾンビになりましたが、類似の声というのは、まったく思い当たりません。これは、すごいことです。本当に、人間が歌っているのか? というくらい、どきっとする瞬間があります。顔もちょっと、ヘンです。「バスケット・ケース」にでてくるベリアル兄さんの弟に似ています。(関係ないか。)
 いったい、どういうノドの構造をしていたら、こういう声がでるのか? まったく、うらやましいかぎりです。
 ソロ・アルバム、知ってる限りでは、もう1枚「RAINBOW RIDER」というのが出ていますが、ファーストのこっちの方がアレンジがシンプルで、歌をじっくり味わうにはいいでしょう。
 「MIKE HARRISON / MIKE HARRISON」……。
 すごく、シンプルで、牧歌的とも言えるフォーク・ロック寄りのサウンドです。アコースティック・ギターとエレクトリック・ギターを上手く使いわけていて、フォークに流れず、ハード・ロックでもなく、不思議な仕上りです。曲も悪くはないんですが、マイク・ハリスンさんの歌に耳を傾けていると、「いいなああ、この声!」、ってことで終わってしまいます。「RAINBOW RIDER」の方は、ホーンとか、けっこう入っていて、アレンジがやかましく、こういう具合には楽しめませんでした。


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