- ゾンビ的愛聴盤!
- 3万ヒット記念! 山本リンダ特集!
- 『Golden
Best 24/山本リンダ』
- 『狂わせたいの 山本リンダ オン・ステージ』
- 『どうにもとまらない / 山本リンダ』
-
- 『GET YOUR
WINGS / AEROSMITH』
- 『SEX / ORAL』
- 『DARKNESS
DESCENDS / DARK ANGEL』
3万ヒット記念! 山本リンダ特集!
日本の音楽シーンにおいて、ゾンビが尊敬の念を捧げてやまないアーチストが3人存在する。
- 山本リンダ、沢田研二、越路吹雪である。
以上の三者におけるキーワードは、『華麗なる虚構世界』。
- 日常の色恋とは一線を画した、この世ものでないワンダー・ワールド。それを完璧に出現させるのは、並み大抵の力量ではできない。なによりもまず、歌い手自身にもって生まれた華やかさというか、他者を有無を言わさず歌曲の世界にひきずりこむためのオーラが必要とされるのだ。
沢田研二、越路吹雪にハマったのは、かなり年令がいってからだった。ゾンビが無垢の自然体にて「刷り込まれた」のは、やっぱり山本リンダ。
- 「こまっちゃうな」は、まあ、ともかくとして、世に言うヘンシン後、「どうにもとまらない」以降のリンダに、当時小学生だったゾンビはもう、どっきどっきのきりきりまいだった。(うーっん、当時から、そういう趣味だったのかあ……。)
3つ下の妹もさんざんぱら狂い、果ては日生劇場に観にいったくらいなのだが、どういう根拠でファンになったのかは、わからない。なにしろ、山本リンダの登場はゾンビの(罪悪感を伴った)精通の時期と完全に一致していたのだから。これが熱狂に没入する重要な一因だったということは否定できまい。
「お色気だって、でてきたっていわれるのよ。」
舌たらずのセクシー・ボイス。音の出る絵はがき。ウイスパー・カード。こんな風に言ってたような気がする。
おいおい、そういう次元の問題じゃないだろーー!
歌い方、しゃぺり方といい、コスチュームといい、すげーダンスといい、十やそこらの小坊にとっては、異邦のオトナの国から来たフェロモン・ドラッグにも等しい。リンダに比べたら、ピンク・レディなんかお子ちゃまだよなあ。よくまあ、窒息昇天しなかったものだ。リンダのシングル、特に「狂わせたいの」なんか、ジャケ見ながら聴いていると、エッチ本なんか隠れて読むより、よっぽど興奮したぜい。
- お調子モノの小学ゾンビは、コトあるごとにクラス・メートの前で「どうにもとまらない」から、「じんじんさせて」あたりを振りつきで絶叫し、「発狂男」の異名までちょうだいしたものだ。(やってることは今とたいして変わらないか。)
- ブームが去ってからはしばらく遠ざかっていたものの、HARD ROCKや、民族音楽、クラシックをカジり、それらフィルターを通してふり返って見た時、青年ゾンビは改めて山本リンダの偉大さに驚愕するのである。
パフォーマーとしてのオーラ、独特な発声(<ユニークさにおいては、マーク・ボランにだって負けないぞお!)、そして、あの激しいアクションをしながら、息も切らさず歌いきるものすげえ歌唱力! ウソだと思うなら、やってみい!
- ゾンビがTABBASAのアンコール・ナンバーにツー・バスドラ・アレンジの「どうにもとまらない」を採用したのはごく自然の成りゆきだった。その後、キャンディーズの「やさしい悪魔」に変更するという案もメンバー周辺から出たが、すぐに立ち消えとなった。アタリマエだ。
- ―― ドッタンドッドン・ッタンドトン・ッタンドトン・ッタンドトン!
「日本で最初のヘヴィ・メタル・ナンバー、聴いてくれーーー!」
じゃーーー、じゃららー、じゃらららーー、ダッタンタタン・たったった、たった、
- 「うわぁーーさぅをしーんじちゃ、いーけーないよぉー!!!」
サビは同然、野太い声の大合唱!
- 「もお、どーーーにもとまらないーー!!!」
こいつに太刀打ちできるゴキゲンなヘヴィー・ダンシン・ナンバーなんて、そうそうあるものか。
- 後年、避けて通れない疑問が生じた。
- 『山本リンダは、本当にエッチなのか?』
- 確かに、男女の行為も知らない、歌詞の本来の意味もわからない、単純に「オトナのオンナってのはエッチみたいだ。なぜか、ハダカが見たくなる。」ようなガキんちょにとって、あの「元祖コスプレ」、新曲発表のたびに話題になる露出部分は充分に刺激的だった。
しかし、思い返してみるに、山本リンダのヌードというのは想像し難い。今だに。
おっぱいがどう、とか、ふともものハリがこう、とか、一切空白なのだ。これが、ピンク・レディを含めた他のキワドイ系の歌手と違うところだ。
すなわち、山本リンダのセクシーさとは、かなり観念的というか、肉の実質をともなわない種類のものなのではないのか? おへそを出す、背中を出す、スリットがちらちらする、なんてのはむしろ、「ゼロか、イチか?」的な二進数記号的なもので、リンダ自身のアーチストとしての力量を生かし、歌の世界を聴衆の眼前に出現させるための、一種の儀式紋様でしかないのではないか? あたかも、究極にまでコスモを高めるための、聖闘士(セイント)たちの聖衣(クロス)のように。
その証拠に、あれだけ、話題として騒がれていながらも、リンダのおへその形とか、脊椎や肩甲骨のはり具合いとか、(こういうことに関しては)鬼の記憶力を有するゾンビの印象にさえまったく残っていない。だいたい、露出とはいっても、きょうび、夏の路上を歩いている女性の方が、はるかにすげえではないか。
女王様的にサデイステイックで、色情に溢れたキャラクターの作品群が、大半を占めていたにもかかわらず、リンダ自身には逆にストイックで清らかなイメージが常についてまわった。だからこそ、根は潔癖な少年ゾンビ(そうだったんだからっ!)でも追っかけていけたのではなかったのだろうか。すると、我々を魅了していたのは、数々の非日常的役割を演じていたリンダの、アーティストとしての能力だったのではないか。阿久悠/都倉俊一の楽曲の質の高さ、企画演出の巧みさがあったにしても、やはり、パフォーマー・リンダのきらびやかさがなくしては何も生まれない。

- ( ↑ 後に記す『Golden Best 24/山本 リンダ』のLP大ピンナップの一部をつないだもの。なんて、ゴージャス!)
それでは、ゾンビ所蔵のシングル・レコードより、歌手山本リンダの軌跡をたどってみよう。
- ・こまっちゃうな 海と山の歌 67年
これのみ、現物がてもとにないので、B面タイトルはうろ覚え。
言わずと知れたデビュー曲。AB面ともに、ゾンビ兄妹の愛唱歌だった。
- ・どうにもとまらない 青い月夜は 72年6月
- まさか、知らねえヤツはいねえよなあ!
変身復活第1弾! 絶大なインパクトを誇る最強ナンバー。
歌詞はストーリー云々よりも、
- 「新生リンダ! ここに生誕!」というキャラクター・アピールでしょう。
- ・狂わせたいの もっといいことないの 72年9月
前作の発展形。より誘惑が煽情的になります。背中を丸めて腕をぐるぐるまわすアクションが目に浮かぶ。
「からだをつないだ鎖を外してどこかへつれてって。必ずすてきな夢みる気分にあなたをしてあげる。」
- というくだりが、なんか歌詞全体の流れから浮いているが、ココにずきっ! ってきた!
- ―― クサリーー?
- ―― 「すてきな夢みる気分」っていったい???
「一つの国でも、私に賭けても決して損はない。今日から毎日花園みたいなくらしができるのさ。」
- そんな暮らしがしてみたいっ! どんな暮らしなんだろう?
- ・じんじんさせて 白い雨が降る 72年11月
- おなじみ、ふとももスリットのチャイナ風コス。
- ちゃららら、らっら、らっらっら。
「愛で、金で、地位であれこれ口説くけど、それじゃまだ燃えないわあきらめて。」
- ―― あ、これ、拙作の「百万本のペニス」に影響してる!
「前に膝をついてこの手にくちづけて、大の男涙ながしてすがるけど、それじゃまだ燃えないわ あきらめて。」
- いいぞ! やったれ!
- ・狙いうち 夢やぶれて 73年2月
- うらら、うらら、うらうらよっ!ときて、
「この世はわたしのためにある。」
- がーん! 自信に満ちた断言! そーだ! そーだ!
「神がくれたこの美貌、無駄にしては罪になる。」
- いっけえ! やっちゃえええええっ!
「世界中のぜいたくをどれもこれも身にまとい、飾りたてた王宮で、かしずく男をみていたい。」
- かしずく男をみているリンダをみていたい!
- ・燃えつきそう 行きずりの二人 協力エール・フランス73年6月
・ぎらぎら燃えて ある愛 73年8月
前者はサンバ仕立て、後者はスパニッシュ。
楽曲のイメージ世界に忠実なためか、どっきり超絶歌詞は登場しない。
後者は「バイオレンス・ジャック」のスラム・クイーンのモデル。(たぶん。)
この頃、妹が母親につれられてリサイタルに行った。
- 同時期に森昌子のにも行ったちゅうが、これは比較の対象としてはあまりに森昌子がかわいそうというものだろう。
- 少女演歌とコスプレ・ダンス・クイーン・リンダじゃあ、勝敗は目に見えている。
- 歌舞伎等、舞台に造詣の深いゾンビ・マザーは、
- 「リンダってほんとうに綺麗で華があるね!」を連発していた。
- ・きりきり舞い 憎いあいつ 73年12月
非露出路線にイメチャン。浮気っぽい小悪魔的な女性を演じる。肌の露出度を控えたというのがウリだった。
- ミドリのダイエット・スーツみたいなアレです。歌い方もソフト・サイド・オブ・リンダ。
「きりきり舞いであなたの人生さえも狂わせ、悪いことしたと思うわ。」
おいおいおいおいっ! 悪いと思うならするなっ!
- で、最後のオチ。
- 「だからダメと言ったじゃなあいの。」
- なーんだ、オトコが無謀だったのか。
- ・真赤な鞄 恋の冒険 74年4月
ダバダバダ、ダバダバダ調で、ソフト・サイド・ボイス・オブ・リンダの真骨頂です。
人妻が年下の男性の熱情に迫られて駆け落ち。
これからどうしていいかもわからない状況。あるのは真赤な鞄だけ。
「あなたが好きで来たのじゃないけど、(中略)これからふたりくらすのじゃないの。」
「あなたが好きになるかもしれない。女は時々愚かになるから。」(< 聴いてるこっちは、絶句だい!)
と、阿久悠節も快調。この投げやりでかっこいいところは、ジュリーにも通じるぜい!

- ・奇跡の歌 完全にしあわせ 74年7月
映画「ジャックと豆の木」のテーマ。
これはすごい曲です。
- マイ・フェブリット・ナンバー。
か細い天使のような声「だめよ、だめだめ、ダメよ、信じてちゃあ。」
野太い悪魔のような声「どんな人でも一度だけー。」
か細い天使のような声「うそよ、うそうそ、うそよ、そんなことお。」
野太い悪魔のような声「すごい奇跡がおこるものー。」
延々と続くひとりツイン・ボーカルのおっかけあいが、たまらなく気持ちいい。
- リンダさんの懐の深さを思いしらせてくれます。
B面の「完全にしあわせ」も、もう、うるうるするくらい、いい曲。
- 完全にしあわせ
この世の中で私ほどしあわせなひとはいない
ただ夢みて毎日をくらしている
- ありあまるほど愛されてこの胸は裂けてしまう
もう死んでもいいくらいしあわせよ
- あなたの愛につつまれ
雲間に浮かぶみたいなもの
- その美しいお姿にふれるたび
泣けて来るの
このよろこびあまりにも大き過ぎ
- こういう風にカノジョに思われたらなあ。。。。
- ・闇夜にドッキリ きっとまた 74年8月
オジー・オズボーンはリンダのこの曲をカバーしたのかと思ったぞい!(爆)
奥手のカレシに、暗闇でどうにか勇気を出して欲しいって曲。
「おいしいごちそう前にして、何さ、何さ。」
- ああ、もったいない!
- ・恋は熱烈 ちぎれた約束 75年2月
なんと、ドゥアップのロカビリー調。「うーー、やややーやあ。」とのコーラス入り。
阿久悠/都倉俊一のコンビが離れ、楽曲的にそう強烈ではない。
「好き好きしたあいの、熱烈にーー! ハネムーン・しまっしょ! ラビュ! ラビュ! らあーびゅー!」
歌詞的には女性上位ではあるけど歌唱もソフトで、印象として「明るいラブ・ソング」にとどまっている。
- B面も「おーおージョニー。」ちゅう、ロッカ・バラード。
- ・うぶうぶ あした消えても 75年6月
山本リンダ音頭です。音頭。なかなか楽しい。
- 「ソラソラ あなたはそれだけで、カレカレ気取りは迷惑よ。」(「あ、そうりゃ!」ってモンですな。)
男性といい雰囲気になったら向こうは本気になったけど、それは「ウーブなあなたの早とちり。」
おちゃらけて聞こえるオトコたちのあいの手も、なかなかマヌケで味があります。
-
- それでは、アルバム紹介といきます。
『Golden Best 24/山本リンダ』
A、どうにもとまらない 狂わせたいの じんじんさせて 狙いうち 燃えつきそう ぎらぎら燃えて
- B、闇夜にドッキリ きりきり舞い 奇跡の歌 真赤な鞄 きっとまた 完全にしあわせ
- C、追憶 ひと夏の経験 グッドバイ・マイ・ラブ 激しい恋 私は泣いています 花とみつばち
- D、アンチェイン・マイ・ハート イフ・ユー・ゴー・アウエイ ダイアナ
- いとしのパオラ スピニング・ウィール ヘイ・ジュテーム
- さて、このレコード、豪華絢爛2枚組み。特大ピンナップもついてて、内容もまさにマニア垂涎の至れり尽くせりを極めた感のある、超スーパー弩級ベスト・アルバムである。
まず、構成に注目するがいい。(伊藤政則風)
A、Bがゴールデン・ヒット曲集。上記の「どうにもとまらない」から、「闇夜にドッキリ」までのA面に、発売当時のラスト2枚のシングルB面を加えたもの。リンダのシングルB面ってすべていい曲ばかりなのだが、至高のバラード「完全にしあわせ」、ボザノバ・ナンバー「きっとまた」と贅沢な選曲。
さらに、驚異的にどうにもたまらないのが、曲の順番!
A面は初期のハイパー・ドライビング・ナンバーを忠実に並べている。ところが、B面はというと、当時のラスト・シングル「闇夜にドッキリ」をトップに、「奇跡の歌」(企画モノなのにもかかわらず)B面の「完全にしあわせ」で最後を飾っている。これは単に時代を追うだけでなく、レコード表裏にストーリー性を持たせるために、あえてこうしたのではないだろうか。
「どうにもとまらない」から「闇夜にドッキリ」までは、ストレートな挑発ラブ・ソング。情熱ほとばしるエロティックな魔女的超美女を演じている。
- 「きりきり舞い」で、ステディを惑わす小悪魔。
- 「奇跡の歌」は、完璧な変化球。娯楽作品。
- そうして、「真赤な鞄」は、年下の美少年との切ない逃避行。
- 「きっとまた」では、優雅でもの寂しい別れ(「別れ」がテーマなのは、唯一これだけ! 世間的にはもっとも多いのに!)。
- そして最後に、サディスティックな美女の行きついた先は、心から愛する人との「完全にしあわせ」状態。ハッピー・エンド。
なんて巧みなんだろう!
リンダ歌曲というのは、どれもドラマ・ティックでストーリー性に溢れ、それぞれのキャラクターが生きているから、つなげていくと長篇物語そのものとなる。
- Cは、当時のヒット・ナンバーのカバー。
沢田研二、山口百恵、西城秀樹、りりィなどなど。
ベスト・アルバムにありがちな企画ではあるが、ここでは山本リンダの特殊性がはっきりみえてくる。
山本リンダという類い稀なるアーチストのアクの強さ、キャラの濃さ。
これを一番実感できるのが、山口百恵の「ひと夏の経験」。
「あーなーたーに、おーんなーの子の一番ー……。」
これだけでもう、ギョっ!!!!!
「こ、こわい……。」
とある友人を言った。
確かに、この繊細な時期の少女の愛を歌うには、リンダ唱法は熟女に過ぎるかもしれない。
- ところが、この違和感の本質は、そんな卑近な場所にはないのだ。
- 単に熟女というだけであれば、トシのいった演歌歌手が歌えば、それですむことだ。リンダの特異性はそんなところにはない。
リンダの「ひと夏の経験」は、例えれば、
- 「冥府の王ハーディスの愛娘に、異界のラビリンスの中で愛を囁かれている。」
- ような気分にさせられてしまう。
- 「うん、もらおう。」と首をたてに振ってしまえば、以前のニンゲンにはもどれなくなるし、拒もうものなら、永久に意識を保ちつづけたまま、肉体が腐敗していく呪いを受けるかもしれない。
ヒデキの「激しい恋」のサビ、
- 「黒いー、黒いー……、ゆうわっくー、うっ!(<合いの手)」
- では、
- 一面の大地にひびが入って裂けてゆき、地獄の業火があちこちに吹きあがる中、巨大な魔王が黒い翼をはためかせて咆哮しているような情景になってしまうのだ。
ものがなしいはずのフォーク・ナンバー「私は泣いています」では、ベルサイユ宮殿の金やベルベットで飾られたゴージャスなベッドの上で、肌もあらわな絶世の美女が真珠の涙をながしているような雰囲気で、「こんな美女から離れるヤツの気が知れん!」ちゅう怒りさえ沸いてくる。
どんなに耳慣れた他人のヒット曲でさえも、とてつもなくドラマチックでゴージャスに染めあげてしまう魔力。
- これぞ、リンダ・ボイスのリンダ・マジックなのだ。こういう人がありふれたラブ・ソングなんて歌えるわけがない。
- 「リンダの住む場所は常にきらびやかな宮殿であり、
- 恋をする相手は大天使ミカエルか、堕天使ルシファーの化身。
- 年下のカレシはオリュンポスの森に遊ぶ美少年。」
- どうしても、そんなイメージになってしまう。
- だからこそ、リンダの曲はみながみな『華麗なる虚構世界』でなくてはならない。
- パフォーマーとしての資質が曲を選ぶのだ。
D面は洋楽のカバー。日本語もあり、原語もある。
これはこれで悪くないのだが、もとの曲にあんまり馴染みがないせいか、A-C面には押され気味である。
-
- 『狂わせたいの 山本リンダ オン・ステージ』
A、序曲 どうにもとまらない どうにもとまらない もっといいことないの こまっちゃうな
- アラウンド・ザ・ワールド 小さな竹の橋 雨に濡れても マシュ・ケ・ナダ ミッシェル
- オー・シャンゼリゼ 夜のメロディー アル・ディ・ラ
B、カチューシャ アリラン さくら 奴さん おてもやん 北海盆唄
- オルフェのサンバ 狂わせたいの どうにもとまらない
- 沖縄の中古レコード屋で、20年も前に1000円以下でゲットしたもの。
- この頃の沖縄中古レコード市場はまさに宝の山で、安西マリアのLPとか、由実かおるの「同棲時代アルバム」とか、いろいろレアものがあった。
- 夏木マリなんかは、もう、ざっくざっくってカンジだった。
ジャケットの左下の紙片は、もしかしたら、モノホンのリンダのサイン??? だったら、マジお宝じゃああんん!
- そして、このライブ盤、というより、実況中継レコード。タンジュンにコンサートの音だけを録音したものではない。なんと、アナウンサーによる本物の実況中継付きで、リサイタルの様子が手に取るようにわかるのである!(<って言ったらオーバーか?)
「せり出しの上をかわいいおへそをだしたリンダちゃんが、日劇ダンサーズと一緒に踊っております。オーケストラ演奏はヒゲでお馴染みの団池田です。」
てな具合いか。なんと、小野ヤスシまで司会解説入りで、登場してしまう。
- オープニングは、リンダ永遠の必殺テーマ「どうにもとまらない」。
- それから、「狂わせたいの」のB面「もっといいことないの」(白のブラウスに黒のミニスカートのリンダちゃんはまったく、お嬢さんといったいでたちです。)。
- リンダ自身の挨拶をはさんで、記念すべきデヴュー・ナンバー「こまっちゃうな」と曲は続く。
さて、ジェット機の爆音に「アテンション・プリーズ」のアナウンスがかぶさり、別れを惜しむ恋人たちやハネムーン・カップルの姿をした日劇ダンサーズが登場。「世界の愛の旅」の始まりだ。ホステスを勤めますは、山本リンダでございます。
というわけで、リンダが世界各国の親しみのある歌で魅了してくれるという趣向。B面の最初に実況中継アナウンサーのインタビューなんかもあって、舞台中央の広告塔の裏でリンダちゃんは十数回衣装チェンジをするそうです。さすが、コスプレの女王! リンダ主演で、「実写版キューティー・ハニー」を観てみたかった!
ライブだけあって、スタジオ盤よりさらにグレイド・アップしたリンダ歌唱のすさまじさを、これでもかっ! と披露してくれます。
- なんてったって、肺活量と腹筋とリズム・フィーリングが並じゃない! ハードな曲では、狂ったように踊りまくっているはずなのに、ぜんぜん息切れもなく、ビブラートも快調。ポール・ロジャースばりの「あっ!」、「はっ!」、「うっ!」の心地よい連打。楽譜を越えたボイス・ニュアンスの豊かなこと! 中低音シャウティング、明るさ極まるキラキラ・ボイス。悩ましい囁き。4オクターブはありそうな広い声域(「さくら、さくら」なんか、一緒に歌えん! すげー・ハイトーンじゃいっ!)。どんな曲でも、リンダ・ワールド! ありがち「棒読みシンギン」なんて、パワーがあり余り過ぎてて、できないんじゃねーか。
- おっそろしいまでにカミ合ってないのが、「奴さん」と「おてもやん」。これって、発声法からして違和感のカタマリ。ぞくぞくしてきます。おっかないくらいのスリルです。いえ、音程もしっかり、声もよく通っているのですが。言うなれば、楽曲がリンダ・ワールドと重なりあわないというだけの話でしょう。ゾンビがカラオケに行って、訳知り顔オヤジの前で演歌を絶叫すると「オマエには日本人の心がわかってない!」と説教されるようなもんでしょうか。(な、なんちゅう恐れ多い発言!)
- で、オーラスは新曲「狂わせたいの」。エンディングは当然、「どうにもとまらない」。
- 「はじめてこの大きな日劇のステージを踏んだ山本リンダは、静かに降りてくる幕を迎えながら、盛大な拍手に応えております。リンダは目にいっぱいの涙を浮かべ、額、背中にはきらきらと汗が輝き、ショーの成功に酔っているようです。盛大な拍手です。カーテン・コールです。山本リンダは再び激しく歌い、踊ります。そして、明日も明後日も……。」
- ―― トッタン・トットン、ッタッタトット、トッタン・トットン、ッタッタトット、トッタン・トットン、ッタッタトット……。
- 『どうにもとまらない / 山本リンダ』
1、どうにもとまらない
- 2、恋の追跡(ラヴ・チェイス)
- 3、瀬戸の花嫁
- 4、お別れしましょう
- 5、青い月夜は
- 6、北国行きで
- 7、サルビアの花
- 8、許されない愛
- 9、結婚しようよ
- 10、青い麦
- 11、白い街に花が
- 12、別れの朝
CD音源を探していたら、こんなのがありました。
- 1990年に、再発されたもののようです。
- オリジナルの時期としたら、シングル「どうにもとまらない」発表直後でしょうか。
- またしても、当時のヒット曲カバー集です。
- まだ、再デヴュー間もないとあって、『Golden Best 24/山本リンダ』ほど、濃厚なリンダ・テイストはありません。
- それでも、「恋の追跡(ラヴ・チェイス)」なんかは、けっこうハマってます。
- この画像ではわかりにくいかもしれませんが、おへそがはっきり写っています。
- 『GET YOUR WINGS
/ AEROSMITH』
A面
1、エアロスミス離陸のテーマ
2、支配者の女
3、四次元飛行船
4、黒いコートを着た女
B面
1、エアロスミスSOS
2、ブギウギ列車夜行便
3、折れた翼
4、パンドラの箱
- 言わずと知れた、エアロのセカンド。
- 「飛べ! エアロスミス」でーす!
この前が「野獣生誕」。後が、「闇夜のヘビイ・ロック」ときちゃう!
な、なんだよー!オレがエアロについて、語っちゃいけねえとでも言うのかよお?!
これでも、ハマりまくったんだぜー!
だけんども、最結成以降のゴージャスなエアロにはあんま興味がもてないんだす。
すげえ、人気が出ちゃいましたけどねー。
そうかあ、世間の人の感じる魅力と、ワタシのハマった魅力って、まったく別の次元なんだな、きっと。
- (毎度のことかあ?)
- 1970年代中期。ゾンビの高校時代。ロック・ファンの個人的執着はピークを極めていた。
- 以下例。
A「オレはハード・ロックが好きだから、ブリティッシュしか聴かない。アメリカンはスカスカでナサケない。ブリティッシュってったらやっぱ、ZEPだろ、PURPLE
だろ。」
B「ちょい待て! ZEPの崇高さに比べたら、PURPLEなんか、ヤバンのヤン公の集団じゃねーかよお!」
C「なにをーー! ジミー・ペイジのへったくそ、どうにかしろよっ! 毎回違うフレーズを華麗なポーズで弾きまくるリッチーが一番エライんだあ!」
D「ごちゃごちゃアホウどもが! ギターが上手いったら、やっぱジェフ・ベックよ! 上手いのがサイコーさっ!」
E「なーに、じじくせーヤツラだねー! エアロに、KISSがナウイって!」
この他にも、中村とうよう氏推賞のボブ・デュラン&ザ・バンド支持派とか、クイーン狂信者だとか、一見温厚そうでひとたび語らせたら熱いプログレッシブ・ロック党とか、ジャズ・フュージョン軍団とか、なんにもわかんないくせにフランク・ザッパお題目野郎とか、下手に音楽の会話でも始めようものなら、取っ組み合いのケンカになってもおかしくない過激さだった。ああ、ワカゲノイタリ。
ゾンビっちゅうと、ガンコなまでに、現在に脈々とつらなる一徹ブリティッシュ・ハード・ロック派、それも、ZEPも全曲イントロ当てクイズに優勝できるくらい聞き込んでいたにもかかわらず、PURPLE一遍倒だった。当時はわが心のBLACK
SABBATHはファーストからVOL.4まで、日本では廃盤。今ほど輸入盤が普及していなかったから、語ろうにもダレもわかんなかった。。。
- で、エアロ、KISSは当然、対象外というか、聴くには聴いても、「なーーーんだ、こんなモン。」てカンジだった。
- KISSは、「地獄の軍団」より前のはみんなメロディーのない声で同じような曲ばっかり(現在は初期の方が好きで、年中かけまくっているが。)、エアロは「ROCKS」のBACK
IN THE SADDLE と NOBODY`S FAULTだけがものすごくかっこよく、あとはなんか、たるくてイヤだった。このあたりは、2才下の弟が買っていたので、よく聴いてはいた。
なあんか、アメリカンちゅうと「コキタナクて、ダルい。」というイメージが先行し、高揚するイントロ・リフ、突き刺さるハイトーン・シャウト、メロディックな曲調、流麗なギターソロ、というブリティッシュ・ハードの「華麗」というイメージからほど遠かった。
- それが、どうして、「GET YOUR WINGS 」(ちゅうより、「飛べ! エアロスミス」だよな、やっぱし。)を購入したかというと、同級生のアニキの生協レコード・フェアで格安だったのと、日本語タイトルのせいでしょう。
なにしろ、当時は貸しレコード屋もなく、詳細なデイスコ・グラフィーもなく、知ってるバンドといえども、新しいモノに手をだすったら、日本語タイトルくらいしかとっかかりはない。
それにしても、すげーと思いませんか? セカンドのこの曲タイトル。まるで、冒険SF活劇じゃん!!!!
- 「エアロスミス離陸のテーマ」ってからして、壮大なスペース・ロック・オペラを連想させませんか?
- エアロスミスのメンバーが異次元の「支配者の女」に会い、その世界の危機を知らされて、「四次元飛行船」に乗り、冒険に出発!
するとまっくらな宇宙空間で「黒いコートを着た女」に襲撃され、「エアロスミスSOS」となる。不時着した星の砂漠で「ブギウギ列車夜行便」に乗って逃亡!
本来強大なパワーを持つ「支配者の女」の「折れた翼」をなんとか修復しようとするが、そのアイテムは禁断の「パンドラの箱」の中にあった!!!
- ロッカー戦隊エアロレンジャーの運命は如何に?!
- ねっ! そう言われてみれば、そんな感じでしょ?
これが次のサード・アルバムになると、一応、「闇夜のヘビイ・ロック」なんだけど、やっぱり、ジャケットにしても、「TOYS
IN THE ATTIC」って、「屋根裏のおもちゃ箱」。なんだそりゃ?
タイトルにしても、「ソルティおじさん」、「アダムのリンゴ」、「お説教 WALK THIS WAY」、「イカした10インチ・レコード」、「やりたい気持ち SWEET
EMOTION」、「戻れない」、「虚空に切り離されて」、「僕を泣かせないで」と、なああんか、小市民的なイメージがしませんか? 唯一、「虚空に切り離されて」のみが、SFちっくだけど。
4枚目の「ROCKS」以降は、「美獣乱舞」は除くとして、カタカナまんま邦題になってます。
- で、期待わくわくの「飛べ! エアロスミス」。
さっそく針を落としてみると、「だ、ダルい!!!」。
なんじゃい?! 「離陸のテーマ」のはずが、「おんなじの古い歌と踊り SAME OLD SONG AND DANCE」だってえ?! サギかこりゃああ! しかも、「ROCKS」とくらべたら、ぜんぜんハードですらないじゃあーーーーん!!! なんか、おっさんが聴くような古くさいロックン・ロールだし、サックスまでぴーぷー鳴ってるし、ボーカルはがなってないしーーー。
コレはもーーーやんなっちゃって、一時期は売っぱらっちゃおうかとさえ、思いました。ちゃん! ちゃん!
- それが、どうしてわざわざこんな長文を書くまで好きになったかというと、ハード・ロックに対するかかわり方っちゅうのには、自分がワクにはめていた以外にも種類はあるっていうことに気づいたためなんですよ。
PURPLE系ロックって、HEEP とか、SCORPINSもこの中に入れちゃうけど、やたら、「さああいけえーーー! 元気モリモリ!」じゃないっすかああ。 SABBATHなんかはもっと深く、今の自分の生きていく意義なんかを掘り下げさせてくれて、魂の救いになるっちゅうカンジなんですが。
ところがさあ、高校性というのは、ホントにシンドイことがいっぱいあって、もう、肉体的にも、精神的にも再起不能。「くたばろっ」てまでブルーでないにしろ(<こんときこそ、SABBATH!)、なんか、その中にだらだらダラけていたいなーーー、って時があるのよ、けっこう。そんな時、たまたまこの「飛べ! エアロスミス」をかけたら、なんとこれがどんぴしゃ! すげーーー! なんなんだ、この心地良さはーーー! バイブレーションがシンクロしてんじゃないかあーーー=!!!! って、モンだった。
それから、エアロにも積極的にアプローチするようになりました。
- 「野獣生誕」、「闇夜のヘビー・ロック」、「ROCKS」も良かったけど、やっぱりこの「飛べ! エアロスミス」が最高に合ってる! 残念なことに、スカスカ感の減弱してしまった「DRAW
THE LINE」以降はコレ的な魅力はあんまなくなってしまった。
以来、ゾンビは元気だしたい時には、PURPLE系、自殺したくなった時にはやっぱしSABBATH、疲労感にダウナーしたい時にはエアロという具合に愛好してきました。
- 聞き込んでくると、「飛べ! エアロスミス」って曲もいいじゃん! イチオシはなんつうても、「折れた翼 SEASONS
OF WITHER」(<「滅びの季節」か?)。
「ブギウギ列車夜行便 TRAIN KEPT A ROLLIN`」の夜行ノイズ(?)が霧のけぶるノイズに変わり、重なってくる不吉なアルペジオ。歌詞も「悪魔を愛したふしだらな女が、俺の元へと送られてきた。」ときちゃう!!! おお! ブラック・マジックじゃーーん!!! サバスかっちゅううのおお! いいぞおお!!!
- 結論。復活エアロのヒット曲しか知らないなんて、モグリだよーーんだっ!
- 『SEX / ORAL』
SIDE A
1,HEAD
2,LOVE POLE
3,GAS MASKS VICARS AND PRIESTS
SIDE B
1,BLACK LEATHER
2,PEARL NECKLACE
3,I NEED DISCIPLINE
V. BEV G. MONICA D. DEE
B. CANDY NOW DEPARTED =WHAT A SHAME
- ORAL というバンドの『SEX 』というアルバムなのか、SEX というバンドの『ORAL』というアルバムなのか、悩みますよね。正解は前者なのですが、バンド名としてはSEXの方がイケていると思います。セカンドが当然、『ANAL
SEX』、サードは『ANIMAL SEX』なんて展開が期待できますから。
当時、某専門誌の輸入盤レビューでルックス、音楽ともに酷評されていたものですよ。評者曰く「ブXが2人に、普通が1人。オトもサイテー。」ってカンジでしたっけ。後にこの評者がW.A.S.P.のブラッキー・ローレンスに聴かせて「ひでえでしょ?」って、水を向けたところ、さすがはブラッキー御大、「ん? なかなかいんじゃない?」と返答してました。
ゾンビはどっちかっていうと、ジャケットの美(???)女はともかく、サウンドの方はなかなか気にいったものでした。
- 外装とはうらはらに、なかなか骨太な演奏。重たいドラムに、ひっこみ気味のベース、左右のサイド+リード・ギター、比較的マトモな女声ボーカル。音質も良好です。
これ、もしかしたら、完全に企画盤なんじゃないかって気がしました。日本でいえば、『オナッターズ』(これも大好きだった! そのうちレビューするかも。)みたいな。で、演奏しているのも、実は、この人たちではないんじゃないかと。。。
- その根拠として、
1、楽曲のタイプに、ばらつきが有り過ぎる。
2、演奏、特にリード・ギターがあまりにシブく、上手過ぎる。スタジオ・ミュージシャンじゃないのかなあ……。
- SIDE Aの1,HEAD 2,LOVE POLE は、キャッチーなギャル・メタル。GIRLSCHOOLをほんのりポップにした印象。ボーカル声もそんな感じ。
LOVE POLE ってえのは、やっぱり、アレだよなあ。「愛のためにナメちゃう。」とか、コーラス部分で「中にいれてちょうだあい!」とか、言ってます。英語わかんないけど。
3,GAS MASKS VICARS AND PRIESTS (<「防毒マスク教区牧師と牧師 」???)は、うってかわって、なんじゃこりゃ? ストーンズや、フェイセズみたいなファンキーなノリのロックン・ロールじゃないっすか! ギターがおもいっきし、キース・リチャードばり! で、曲のサビはなんだか、ごちゃごちゃセクシーな語りになっているのだが、語学力がないので立たん! もったいないっ! 歌声はチェリー・カリーみたい。
SIDE 2の1,BLACK LEATHER は少しヘビーでミディアム・テンポ。例えるなら、ジョーン・ジェット風味か。
2,PEARL NECKLACE なんか、ほんわかしたポップ・ナンバー。
3,I NEED DISCIPLINE( <「おしおきしてちょうだーい。」かや?) これがまた、女子校生コスプレみたいな曲で、父親とムスメの会話から始まる。「あやっ?」と思ったら、そのまま、西洋人のぶりっこちゃんみたいな幼いヘンな歌い方で最後までいっちゃう。ロリコンの向きには、喜ばれるんじゃないかっちゅう。コレを色モノと呼ばずしてなんなんだよまったく!
- それで、問題のギターなんですが、左でサイドの人と右のリードの人はどうも、別人らしい。
右の人の弾きまくりったらもう気持ちいいくらいで、ソロはもちろん、オブリ、そいから、3番のサビのリフレインからエンディングにいくところなんか、ずっとソロしっぱなし! これがやや枯れた音質にチョーキング満載という、ハードな曲ではマイケル・シェンカー、A3なんかでは、ストーンズ風。けっこう自分を持ちながらも曲に会わせることのできるいいお味の方なんですよ。
B2だけで、サイドとリードが入れ代わるのですが、左の人はチョーキングをトバすのが好きらしい。しかし、どうも、ジミー・ペイジ風で……。(言ってること、わかりますでしょ?)

- っというのが、ジャケ裏メンバーショット。
- だれが、どのパートかわかりやせん。
- アナタの好みはダレですか?
- ミギハシのトウの入ったおねえちゃんも、なかなかセクシかったりする。(<ヘンか?)
- 『DARKNESS DESCENDS
/ DARK ANGEL』
- まずは、 DARK ANGELのディスコグラフィー。
1、『WE HAVE ARRIVED』(日本未発売)
2、『DARKNESS DESCENDS』(日本未発売)
3、『LEAVE SCARS』
4、『LIVE SCARS』(ライブ盤)
5、『TIME DOES NOT HEAL』
6、『DECADE OF CHAOS』(レーベルからのベスト・アルバム)
- 1980年代後半と言えば、スラッシュ・メタル全盛期!
- ゾンビは、BーC級系列が大好きだった。デス・メタルももちろん、大好物だが、この頃にはまだ、名称の分化が進んでおらず、すべてスラッシュ・メタルのカテゴリーにくくられていた。
VENOM、BATHORY、VOI VOD(<こいつの前では、SLAYERのファーストが、めっちゃポップに聞こえた。)、EXODUS、HELL
HUMMER、DESTRUCTION、SODOM、NUCLEAR ASSAULT、DEATH 、ANTHRAX……。とにかく、輸入盤ショップでキタナラしく怪しげなジャケットをみかけたら即買いまくった! その豊穣さといったら、1980年代初頭のN.W.O.B.H.M.の再来かとみまごうくらいだった。
ちょうど、レコードからCDへの転換期で、ちょっと待つとそれら貴重な輸入レコード群が、クズみたいな値段でぽろぽろ手に入った。ムロン、すげえつたない演奏、チープな音質のものも、ゴマンとあった。しかして日本にて一早く、VENOMのデヴュー・シングルにのめりこんでいた青年ゾンビにはそれすらも愛おしかった。
- DARK ANGELのファースト・アルバム『WE HAVE ARRIVED』も、そんな1枚に過ぎなかった。トテツもなく安っぽいジャケット、うすっぺらなミックス、ありふれたバンド・ネーミング、ぎくしゃくした輪郭の曖昧な音。かっこいい曲もあったにはあったが。
それでDARK ANGELへの追求はいったん終了し、再びもどってくるためには、5枚目にしてラスト・アルバム、『TIME
DOES NOT HEAL』を、中古CD600円でゲットするまで待たなくてはならなかった。
『TIME DOES NOT HEAL』は斬新だった!
このテの音に埋没していた耳にも、驚異的なオリジナリティーを誇っていた。
- 多くのバンドが過渡期にあって「より重く」を追求したあげく、類似品と堕してしまった中にあって、この『TIME DOES
NOT HEAL』はスピーディーでやかましく、長ったらしく複雑怪奇、さらに、2代目シンガー、ロン・ラインハートの他に類を見ない『唸るメロディー唱法』とも相まって、独特の音世界を展開させていた。
- そのユニークさは詩作にまでも及び、ディズニー・アニメ『バンビ』を観て「不道徳だ、残酷だ、許せん! こんなものを子供に見せるもんじゃないっ!」と、怒り狂った歌詞まであるというタイヘンなシロモノだった。
そこから、巡り巡って2枚目の『DARKNESS DESCENDS』。
これがゾンビ的にはベストだった。スクリーム&シャウトの典型的スラッシュ・シンガー、ドン・ドッティはこの作品が最後。ドラムはこのアルバムから、後にDEATHに加入する(『クラブ・チッタ』で目撃! すげかった!)「この世界」屈指のテクニシャン・ドラマー、ジーン・ホグランにスイッチしていた。この2名の共演はこのセカンド・アルバムのみだった。
『DARKNESS DESCENDS』では、『LEAVE SCARS』以降の変格的スラッシュはまだ開花せず、ひたすらリフ・チェンジを繰り返しながらも、SLAYER的な正当派でつっぱしっていた。B級のニオイをぷんぷんさせながら、威圧的な風格すら漂わせ。
しょっぱなのタイトル・ナンバー、DARKNESS DESCENDS で、まずはイキまくった。
- 鋭いどっかどっかドラムにSABBATH のELECTRIC FUNERALみたいなギターがうねりまくるイントロダクション。
- ついで始まる猛攻スラッシュ!
「おわっ! なんちゅうかっこいいんだっ! 」
疾走と陶酔は継続した。比較的短めの曲に詰めこまれたイカしたリフ展開の妙。後期作品になると、さらに曲が長く複雑になり、正直、一枚聴き通すのがシンドイくらいになる。このアルバムでは突撃と屈折のバランスがもっとも優れていた。
-
DARK ANGELには、映像作品も残されている。
- 『LEAVE SCARS』発表直後。シンガーがロン・ラインハートになってのライブだが。COMBATレーベルから発売された『ULTIMATE
REVENGE 2』というオムニバス。
ここでは、RAVEN、 DEATH、 FAITH OR FEAR、 FORBIDDEN といったマニアなら、ヨダレでじゃぶじゃぶになりそうなメンツにまじり、わが
DARK ANGELが威風堂々と熱演を繰り広げている。

メンバーがアンプに向かう嵐のフィード・バック状態から、あのDARKNESS DESCENDSのイントロダクションで幕を開ける。そして、一瞬の静寂から、THE
DEATH IS INNOCENCE へ。フリークス的小太り男のシンガーが転がるように走ってきて、熱唱。バンギングする客の中にダイブしたまま、熱唱、また熱唱。残念ながら、『TIME
DOES NOT HEAL』以降で聴かれるド太いロング・トーン唱法の曲は出てこない。その代わり、ロン・ラインハートのカリスマ的アクトを通して、バンドとオーディエンスが完全にネーションと化したライブ空間を堪能できる。THE
BURNING OF SODOM。DEATH IS CERTAIN( LIFE IS NOT)。NO ONE ANSWERS。
アスレチック・メタル・トリオ・バンドRAVENの超ブチキレ・パラッパー・パフォーマンスはまた芸風が異なるとして、DARK
ANGELはその整合感と威圧感において、他の共演バンドを完全にしのいでいた。
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